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結婚願望と現実

2015/09/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

―Fさん、38歳、男性、独身、製造業工場勤務

 

20代後半から心療内科に通院しながらカウンセリングを受けています。

上司の威圧的な言葉に傷つき、休職をした時期に来所されました。

上司のAさんは部下がうつ病で休職してしまうことが多く、Fさんも被害者にならないように自分でも注意をしていました。

しかし、Aさんの暴言は場所や人を選ばず、一瞬にして、強い感情的な言葉を浴びせます。周囲の空気は凍りつくような雰囲気になり、固まった表情になるのです。

この場を収めるためにはどうしたらよいのか、皆で探り合っているのです。

しかし、Aさんの勢いは止まりません。上司のAさんは、Fさんのミスに気が付き、Fさんを怒鳴り注意をしますが、後に嫌がらせで感情的な言葉を叩きつけるのです。

「お前のような能力のないやつを引き受けたのは、間違いだった」のようにです。

ひと昔前では日常的な場面でしたが、現在ではパワーハラスメントと認定されるような状況だと思われます。

人格否定をされたFさんとのカウンセリングでは、こだわりの強い考え方が印象的でした。

 

人には様々な価値観がありますが、あまりにも強い執着的な思考だと状況に適応することができず、悩みが深くなります。

Fさんとは認知行動療法のセッションを積み重ねながら、徐々に適応できる範囲を広げていきました。

製造工場現場での火元責任者になることができず回避してきましたが、現在は引き受けることができました。

また、社内のイベントにも積極的に参加することができ、表情も明るくなりました。

 

Fさんの結婚観

 

ある日、Fさんが結婚したい女性がいるが、本当にこの人でよいのか、決心がつかないという迷いの相談がありました。

Fさんの結婚に対する、動機、メリット、デメリットとお付き合いされている女性のことを聞きました。

 

動機

38歳という年齢で子供が生まれるとしたら定年までの稼ぎで養育できるのか心配。

このまま一人でいると老後は寂しく孤独死になってしまう。

コツコツと貯金したお金を定年後に何のために使うのが良いかとふと考えたときに、一人で使い切るより、妻がいたら、妻のために使った方が良いと思った。

 

結婚をするメリット

話し相手がいるので、寂しさはない。
自分を頼ってくれる人がいると励みになる。
家事の心配をしなくて済む。
自分の子孫を残せる。
死後の苦労を労ってくれる。
共稼ぎであれば、少しは贅沢ができる。

 

結婚をするデメリット

たまに一人でいたいときもあるので、拘束される。
二人でいる時、邪魔だと思うこともあるし、相手もそう思う。
お金を自由に使えない。小遣い制には抵抗がある。
妻の実家との関係を気にしなくてはならない。
妻が病気になったら面倒をみなくてはならない。
食事の用意をさせられるのは断る。
自分の好きな料理がいつも出てこない。
電気、ガスの無駄遣いをするのではないかと心配。

 

お付き合いされている女性

 

-B子さん、34歳、研究職、大学院卒、一人娘、両親は退職後、年金生活。

友人の紹介で出会い、一年が経った。結婚後は共稼ぎを希望、子どもは二人くらいほしい、収入は彼女の方が高い。家の購入、家事の分担、生活費、出費については相談が前提で話し合って決めていきたい。

 

Fさんの迷い

 

Fさんの迷いの中心は、B子さんと結婚したら自分は彼女の尻に惹かれ、亭主関白になれないのではないかということでした。自分の父親は母親に従い、いいなりだった。

好きな酒やつまみも制限され、給料が少ないと母親に文句を言われていた。

何のための人生かと情けなかった。

Fさんは、女は男を支える存在でいてほしい。女性の権利ばかり主張する人とは生活はできない。

男の威厳は女性が守るべきであり、そのための苦労も理解してくれるような人であってほしい。バカにされるような生活はしたくない。

 

Fさんは「父親の像」のイメージが強く、結婚=亭主関白でなければならないという考えが強いのです。

その後のカウンセリングでB子さんとの破局を伝えてきました。

「学力が自分より高い以上、生活の中で自分をバカにすることは決まりきっている」といいきりました。

Fさんは予期不安が強いところもありましたが、少しずつ現実的思考になってきました。

 

しかし、結婚のイメージはかたくなで「~なければならない」「~であるべき」という「0か100」の思考。

そして、将来の夫のイメージは、妻は夫を支え、夫のプライドを傷つけてはいけないという概念を貫いていくようです。やはり、生活的な強い執着があるようです。

良い結婚相手との巡り合いを望んでいます。