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復職事例

2014/12/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

Oさん、34歳、独身、サービス業、営業職

①Oさんは会社の同僚と退社後お酒を飲み4軒のはしごをし、酔いつぶれ4軒目のお店で眠ってしまいました。店員から声を掛けられ起こされると、酔いがさめないOさんは店員を殴ってしまい、警察に連行されました。

翌日、出社しないOさんに上司が電話をしても連絡が取れず、Oさんの自宅に連絡し、事件詳細を知ることになりました。

人事はコンプライアンス委員会、賞罰委員会を招集し、Oさんから事情を聞きました。

Oさんは酔って店員を殴打したことの反省を述べ、謝罪をしました。

人事はOさんが入社以来お酒を飲み過ぎ、問題を起こすことが多いので、日頃から注意をするように伝えていた。しかし、この度の事件があり、本人に何らかの問題があるのではないか、と考えて会社側からのカウンセリングの要請がありました。また、Oさんは謝罪をするものの他人事のような態度で、本心から謝っているようには思えないという事も伝えてきました。

Oさんとの最初の面談での印象は、体育会系のがっしりとした体格で、どこか威圧的でした。カウンセリングの主旨を伝えた後、Oさんは「カウンセリングを受ける意味が分からない。会社では事情を何度も聞かれ、謝罪している。賞罰委員会の結果を自宅で待っている今も、反省する日々なのに、なぜカウンセリングを受けるのか、納得していない」と率直に伝えてきました。

納得のいかない事には、ストレートで言葉をぶつけてくるOさんに、威圧的な反面、どこか純粋な気持ちも感じ取れました。性格も正義感が強く、親分肌で、人の面倒見も良いのですが、小心なところがあり、人見知りで、シャイなところもあります。

初対面の人には、警戒心が強いのですが、気が合うとすぐに意気投合し、茶目っ気ある人柄でもあったのです。上司の多くはOさんを会社での態度は生意気で、態度が大きく人をバカにするようなところがあるという評価でした。

謝罪しても、本当に心から謝っているのか上司に伝わらないと感じられてしまうのもOさんの表面と内面のギャップがあるためでした。

6回のカウンセリングで、Oさんが見せた涙は、真実でした。酒に飲まれてしまう自分を馬鹿にされたくない、出来る人間だと思われたい、面倒見の良い先輩だと思われたい、と人の目を気にし過ぎて疲れてしまい、酒に逃げていた。

本当の自分を知らずに復職していたら、また同じ問題を起こしてしたのかも知れない。

「もう、絶対にお酒は飲みません」と伝えてきましたが「一滴もお酒を飲まないと考えるよりも、自分がコントロール出来るようになるのも社会人として大切なんですよ」と、笑顔でカウンセリングを終了しました。

賞罰委員会の結果は、1カ月の停職で、その後無事に復職しています。

 

②Tさん、39歳、既婚、子供2人、製造業、課長

Tさんは2度目の診断書を提出しました。診断書には、「心因反応」と記されており、病名は特定できません。

勤怠が2カ月前から悪くなり、遅刻や早退が目立ち始めました。管理職の立場でもあるため、人事から早急にカウンセリングを受けるように指示があり、来所されました。

私とのカウンセリングは2回目で、3年ぶりにお会いしました。

真面目で、誠実、部下や上司からも信頼されています。初回は、特に緊張するためリラックスするように心がけているのですが、Tさんの緊張は長く、額からの汗が止まらない印象的でした。「上司の方が心配していますが、何かありましたか?」と聞くと、「すみません、皆様にご迷惑をお掛けしてしまい、自分でもどうしてよいのか分からないのです」とうなだれました。

管理職になったのは3年前でした。1度目の休職は前任者との引継ぎが終わった時期と重なります。部下5名とチームを組んで仕事をこなす自信が無く、プレッシャーに潰されてしまいました。管理職としての仕事は一般職と違い、1人で判断し、顧客との対応も増え、決断しなくてはならない事もあります。また、部下に対しても厳しい態度で接しなくてはならない時もあります。中途採用で入社したTさんは、真面目のコツコツと仕事をしてきた事により、上司の評価も良く、異例な出世でした。

Tさんは引継ぎを積極的にこなし、前任者も安心して異動できる状況でした。しかし、突然の体調不良で休職となり、前任者はTさんの休職中引き続き、部署に留まりました。休職期間は1カ月で、復職しました。復職後は、上司に相談しながら判断し、部下との連携もうまく取れていました。3年ぶりに合うTさんはまるで別人のようでした。

休職することが決まり、カウンセリングを月2回実施し、6カ月間経過しました。

最近は、睡眠も安定し、体調も良く、子供達と散歩をしたり、家事の手伝いをしています。服薬も減ってきた事もあり、復職訓練の提案をしました。ところが、Tさんの表情が曇り、具体的な復職のスケジュールに積極的ではありません。

復職提案をした次のカウンセリングでは、不安感があり、自ら「復職はまだ早いと思う」と伝えてきました。仕事に戻ることを考えると夜眠れなくなっている事を聞き、「管理職をして戻ることを考えると、ですか?」と質問すると、頷きました。

一般職だったら戻れると言う内容でした。管理職の3年間、自分をだましながら仕事を続けてきたが、電池が切れた状況に陥ってしまったのです。

人事と相談し、降格の辞令を受け取ったTさんは休職7カ月目に復職をしました。

管理職に向いていないと自覚することもTさんの仕事観でした。