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愛する事の難しさ

2014/06/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

事例①

S君、25歳、会社員、勤続3年、独身、次男

「大学時代から交際していた後輩の女性と別れた。会社に行けず、今日休んでしまったんです。明日は大事な会議があって、出勤しなければならないのに、

落ち込んでいて行けないかもしれない。焦っていて、手も震えるんです。どうしよう…」

声も震えていて、半泣き状態でした。

「出勤しなければいけない、と思っているけど今は行けそうにないのね?」

「そうなんです。僕、昨日彼女に振られちゃったんです。」

「別れたいって言われたの?」

「いえ、はっきり別れると言ってはいないんですけど…」

「じゃあ、その時の状況話せそうかな?」

この会話の後に話した内容です。

―大学時代からお付き合いを始めて、5年目です。演劇サークルで知り合った後輩B子さん。3姉妹の長女。美術系の大学で就職がままならず、

父親の会社に就職して2年が経ちました。お互い社会人になってから、仕事も忙しく、会う機会も少なくなっていきました。

S君は残業が月に60H~80Hあり、会社でのグチはB子さんと会う時に吐き出すことができ、彼女も快く受け止めてくれました。

それでS君は会う機会が少なかったので、連休は旅行しようと提案したところ、B子さんに「家族で旅行に行くから行けない」と断られました。

S「1日位空けられないの?」

B「私が行かないって言ったら親はがっかりするから…」

S「そんなに家族が大事なんだ。僕は自分の家族よりB子ちゃんの事を優先しているんだけど」

B「それが重たすぎるのよ」

S「じゃぁ、いいよ」

と言って、自宅に帰って母に事の顛末を話し、相談したそうです。

「お母さんに慰めてもらいたかったのね」

「そうなんです。でも母は、あなたがそんなに好きだったらもう一度話しなさい。B子ちゃんに旅行に行けないと言われただけで私に相談してこないで、

情けない、と言われました。僕ってそんなにダメな男でしょうか」

 

S君は自分を見失ってしまい、将来を絶望視してしまったのです。

たかが旅行を断られたぐらいで、と考えてしまいがちですが、この窮地を乗り越えなくては成長出来ないのです。

自分をもう一度見つめ直す時期が来ました。

 

事例②

A子、29才、看護師、独身、長女

「私1年お付き合いしていた彼と別れたんです。彼とは結婚を前提にお付き合いしていたんですけど、彼を信用できなくなったんです。」

「信じられなくなったことって?」

「彼はミュージシャンで、曲を作り始めると1か月も会えない日が続き、私を放っておいても平気な顔してるんです。それで、久しぶりに会うと

自分の苦労話をして、私に関心が無いんです」

「A子さんは黙って聞いてるだけ?」

「そうです。結婚してもこんなオレ様じゃ楽しくないし…」

その1か月後、A子さんは元カレとまた付き合い始めました。

その3か月後に今度は元カレとまた別れたと相談に来ました。

―彼は優しく気遣ってくれるんですが、別れました。別れた理由は、A子さんと彼とで映画を見に行った時、彼が途中で眠ってしまったので

幻滅してしまったのです。また、彼女の誕生日にレストランで食事をした後の会計で、「割り勘ね。端数は僕が払うからいいよ」と言われたことでした。

無駄遣いをしない人で彼とならうまくやっていけると思っていたけど、ここまでケチだとは思っていなかったのです。結局別れることになりました。

不確かな愛で終わったのです。―

恋愛中とか、婚約中で少し距離がある時は、相手の長所を見つけられるし、私は愛されていると感じますから、昂揚感があり楽しいものです。

しかし、同棲や結婚をすると、お互いのエゴがぶつかり合い短所ばかりが目につきます。

”山アラシのジレンマ”(ショーペンハウエル)の話があります。ある寒い国に2匹の山アラシがいました。2匹とも寒くて仕方ないので、お互いを温めあおうと寄り添います。しかし、鋭いとげがある為寄り添えば寄り添うほど傷つけあってしまいます。何度か繰り返しているうちにお互いを傷つけあわない距離を見つけていく、というお話です。

 

人はそれぞれ違った価値や考えがありますから、完全に一致することはありません。

お互いの違いを認め合う考え方を持ち、コミュニケーションの中で変化し、成熟していくことを楽しむことが必要なようです。