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うつから復帰した人を苦しめる人事評価制度

2014/02/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

「今回の会社が打った施策で、心を痛めています」という一通のメールをクライエントのAさんからいただきました。

うつ病で半年あまり休職し、職場復職された方です。40歳、大手企業勤務で現在、残業の少ない職場で勤務しています。

会社の人事施策がときとして職員を苦しめることもありますので、あえて紹介させていただきます。なお、掲載に際しては、ご本人の了解を得ています。

 

人事評価制度の改定で弱者は狙い撃ち

私の職場では「家庭の事情などで時短勤務をしている者」「心身を患い勤務時間を短くしている者」「適応観察者」も働いております。

昨年、会社はそういった職員を対象に、ボーナスのカットをしました。みんな前年の2割以上減額されました。

業績不振に伴う人件費削減が目的だと思いますが、私たちを集中的にねらった弱者いじめ以外の何ものでもありません。

 私の会社も成果主義を導入しています。すなわち、各職員の成果に応じて、給与や賞与のランクが決められます。

私のような残業のない勤務者も評価の対象となりますが、勤務時間を短くせざるをえない各自の事情はまったく考慮されません。通常勤務者と同じ土俵で、成果に対して評価されます。

私たちは勤務時間が限られていますから、ほとんどの場合、自然と、評価は低くなります(もともと任せられる仕事が軽めで勤務時間も限られているため、量をこなせないし、時間外など柔軟な対応ができないので)。

その上、さらに、今回の評価制度改定では、二重、三重に私たちの受け取り分が減らされてしまいました。本人に何の落ち度もないのに、です。

立場の弱い私たちだけをターゲットにして、リストラをすすめているように思えます。

「あなたたちは、その程度の価値しかない、やっかいものだ」と会社からいわれているように聞こえます。

 

回復しつつある矢先に……

私は、何年も前から「うつ」をわずらっています。現在も、薬を飲んでいます。

産業医の指導やカウンセリングも利用しています。

それでなんとか、ようやく、元気になりつつあるのです(薬も減ってきています)。

しかし、今回の人事評価制度の改定で、また、具合が悪くなりそうです。

しかし、子供もいるため、私は再び倒れるわけにはいきません。なんとか、踏ん張るしかありません。

 でも、怒りを抑えられず、家庭で、不機嫌な顔をして、物に当たったりして、子供たちをおびえさせてしまいます。

私を含め、立場の弱い人たちを助ける方法はないのでしょうか?

 

会社の研修会で直訴、抑えがきかなくなりそうです

先日、私は人事部主催の研修会で天につばを吐くようなことをしてしまいました。

メンタルヘルス研修が行われたのですが、元気な人を対象とした内容だったので、私にとっては、苦痛以外の何ものでもなかったです。

前述の制度改定の件もあり、研修アンケートに、会社や人事部への批判を、ズバッと書いてしまいました。

「弱者にしわよせを迫る会社が、メンタルヘルス研修なんておかしくないですか」

「真に必要としている、弱っている人に対する研修こそが必要なのでは」と。

前述の人事評価制度改定にも、

「あえて反論させていただくならば、短い時間で、同じ成果をあげているならば、時短勤務者のほうを、普通の人よりも、むしろ大切にするべきと考えるのですが、間違っていますか?」

と訴えました。

 これからも会社に対して、いいたいことをズバズバいってしまいそうで、心配です。自制が効くか、心配です。

しかし、すでに、一人で車に乗っているとき、大声で叫んでしまいます。

もう、限界です。

うちの会社の、現経営陣や、弱者へのリストラしか考えない管理職に訴えたいのです。

「そもそも、業績不振なのは、人を人と思わない、人を活かせない、彼らの責任ではないでしょうか!」と。

 

◇◇◇   ◇◇◇

業績がおもわしくない。となると人件費の削減をまっさきに考えるトップは多いです。

しかもその矛先は立場の弱い人たちに集中しがちです。

カウンセリングをしていますと、不条理な人事評価制度に対する悲痛な叫びが伝わってきます。

Aさんは「うつ」から復職し、毎日の業務を立派にこなしています。Aさんがうつ病になったのは、過度な超過勤務が続いたためであり、これは企業の責任でもあります。

しかし、全てを企業側の責任としてすませられる話ではありません。

生活をして行かなければならないAさんは、今回の現実を受け入れるプロセスが必要です。

怒りを乗り越え、現実を受け入れる安定感を持つまでには時間がかかります。