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働く女性の心の病(その9) (続)どこまでがセクハラなの?

2013/09/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

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A子(26独身)、上司:部長(46既婚)

取引先:B本部長(50既婚)、C子副部長(45独身)、D課長(35独身)

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前回のあらすじ

実直で真面目なA子さんは、取引先からの受注に成功。部長から食事に誘われ「昇格まちがいなし」と言われました。その夜遅くタクシーで帰宅したとき部長から手を握られ、咄嗟に振り払いました。

1週間後、取引先と食事会。その席でC子副部長から「D課長はあなたを気に

入っている。お付き合いしてみたら」とささやかれ、当惑しました。大事な取引先なので翌日、部長にそのことをメールしましたが返事はありません。

そして、C子副部長から「D課長とA子さんが付き合っている」と聞かされた部長は「仕事とプライベートを混同しないように」とA子さんに注意します。

A子さんは否定しましたが、なぜそんな話が伝わったのかわけがわかりません。

確かにD課長とは1カ月前に二人で食事をしました。大事なお客様だし断ってはいけないと思ったからです。そこで「あなたとおつきあいしたい。今は、C子副部長と付き合っているが別れるつもり」と告白されました。

A子さんは戸惑いましたがプライベートと仕事を区別し、仕事に集中して契約にこぎつけたのでした。

 

D課長からの受け入れがたい話

今、A子さんは新たな営業の仕事をしていますが、昇格はありませんでした。

D課長からは度々メールがきています。

変なうわさを流されたことが気になり、A子さんは会うことにしました。

そこで聞いた話は、受け入れがたいものでした。

契約成立後、C子副部長にD課長が別れを告げたところ「A子と付き合っているから別れるの!契約はA子のためだったの!」となじられたそうです。そしてD課長は左遷されたそうです。「お付き合いしてみたら」と言ったのは、D課長がよそよそしくなったので、A子さんを試したのでした。嫉妬心からありもしないうわさを流したようです。

A子さんは、取引先の男女間の個人的問題に巻き込まれてしまったことが悔しくて眠れない日が続きました。部長の態度も冷たいままです。

思い余って、取引先のB本部長に直訴しました。事の成り行きを正直に伝えれば理解してくれると考えたのですが、B本部長の返事は予想外でした。

「会社に対するクレームを言っているようだが、あなたの立場で言えることではないでしょう。二人は当社の社員であり、あなたの個人的感情、仕事観については、私の関知することではありません」。

A子さんは完全に自己否定されたと思い、自己嫌悪感、抑うつ感が強くなり、その日から出社できなくなりました。今も休職中です。

 

A子さんはどうすればよかったのか

①受注に成功し、部長と食事・二次会。帰りのタクシーで手を握られた。

※セクハラを避けるには、このような状況をつくらないことです。今日は疲れたので帰るとはっきりいいましょう。特に二人だけの二次会はリスクがあります。

はっきり言えなかったA子さんはその後、様々な問題に巻き込まれます。

また、手を握られたままではよくありませんが、部長の手を振り払った後はフォローも大事だと思います。

②「D課長とお付き合いしてみたら」とC子副部長から言われた。

※あくまで仕事で知り合った人ですから付き合う気持ちがないことをはっきり伝えるべきでした。好意を持たれてまんざらでもないとC子副部長は受け止めたようです。取引先の好意は絶対ではありません。日本語にはありがたいけどお断りする「謝絶」という言葉があります。

③「お付き合いしてみたら」と言われたことを部長に相談したら「付き合っているようだが、失望した」と言われた。

※部長はタクシーの中で手を握って拒否されたことで、プライドが傷ついている可能性があります。

上司からこのような評価を下されると、部下は泣き寝いりが多いようです。

A子さんはD課長と1カ月前に食事をしたため、き然と自分の正当性を訴えることが出来なくなったようです。

取引先の人だから、無下に断れないという心境から食事、カラオケに付き合い、個人的な問題まで聞く羽目になり、巻き込まれてしまいました。

⑤D課長と再度食事をする。

※C子副部長からうわさを流されたことを伝え、部長の誤解を解くために相談したかったのですが、逆に本人が左遷された事やC子副部長との別れた事情を聞かされて、身動きが取れなくなりました。

この場合も毅然とした気持ちが必要だと思われます。

⑥取引先のB本部長に相談する。

※上司である部長の誤解を解くため、できれば取引先の部長から事実を伝えて欲しかったのですが、B本部長は二人の部下に対する個人的なクレームと判断され、不信感を持ってしまいました。A子さんは仕事をする上であまりにも未熟と指摘されてしまいました。

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その後、A子さんは、上司、取引先との人間関係にけじめをつける考えを持たなければセクハラ状況をつくってしまうことを学習し、公私混同の意味をあらためて考えています。