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働く女性の心の病 (その5) 腕は一流でも会話がかみあわない部下

2013/05/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

歯科医師のA子さんは、最近採用された歯科技工士Bさんへの対応に頭をかかえ、不眠症になってしまいました。

「Bさんは私がいったことを理解できません。何度言っても同じミスを繰り返すんです。

先日も、患者さんの歯形を合わせるために来てもらったのですが、肝心のオーダー書を忘れてくるんです。これがないと困ると何度もいっているのに……。

その時はついに患者さんの前で怒鳴ってしまいました。後で自分のふがいなさに自己嫌悪です。

Bさんが来てから、こんなことの繰り返しです。

毎回同じパターンなので、間違えのないように、本人にメモを渡したりメールで連絡しているのです。

それなのに関心がないのか仕事だと思っていないのか、注意しても、無表情で『はい』と返事をするだけです」

A子さんのぐちは続きます。

 

Bさんは歯科技工士としての技術は一流で、患者さんの評判はとてもいいのです。特に色の出し方は繊細で今までの技工士とはくらべものにならないくらいレベルが高いのですが……。

A子さんは書類ごときでイライラする自分をなんとか抑えていますが、何度も重なると、つい感情的になってしまい、最近は睡眠不足の毎日だといいます。

 

「まってて」と「じゃあまたね」で本人は大混乱

「Bさんについて、他に気づいたことはありませんか?」

「そういえば、私が治療中に患者さんと話をしている時に、突然、割り込んできたことがありました。

『それは、今ここで話すことではないでしょう。後で話すから待ってて』

とBさんに言うと、納得していない表情で、治療している間中、横にずうっと立っているんです。

『後で話すから待っていて』の意味が分からないのか『後』は何分後なのか、

『どこで話すのか』の場所の指示がなかったので私の横で立っていたようなのです。そこまでいちいち言わなければいけないのかと考えると、イライラしてしまいます」とA子さんは訴えます。

以前、Bさんが真面目な顔でA子さんに質問したことがあります。

Bさんは別れ際に友人から「じゃあまたね」と言われたので、「いつにする」ときき返したそうです。そうしたら、

「そんなの決まってないよ」と笑われてしまったそうです。

「それなら、じゃあまたね、って言うなよ」と返したら、その友達が怒ってしまったといいます。

 

「さようなら、だけでいいじゃないですか!僕、間違ってますか?」と真剣な表情できくのでA子さんは面食らいました。

確かに、言葉尻をとらえればBさんのいうとおりです。

それからA子さんは「じゃあまたね」と彼には言わないことにしました。

 

趣味やおしゃれにも強いこだわり

Bさんは趣味のこだわりも強く同じメーカーのスニーカーを色違いで全色揃えています。

ポロシャツは赤しか着ません。

「他の色のポロシャツは着ないの」とA子さんがきくと

「赤じゃだめですか」と言われました。「よく似合っているわね」と意味不明なことばでその場をしのぎました。

その時、彼はニコリともせず「?」の表情でした。

融通がきかないというか、Bさんとはほとんど会話がかみ合いません。

「何かメンタルの問題でもあるんでしょうか。それとも私の接し方がよくないんでしょうか?」A子さんはBさんへの対応にほとほと困りはてています。

 

KYと呼ばれる人たち

ほとんどの人がBさんの特徴的な言動を聞かされると「ちょっと変わった人」という印象を持たれます。俗にKYといわれます。

本人は何の悪気もなく周囲の人と関わっていこうとしますが、周囲は、彼のこだわりの強さからくる変わった言動にふりまわされてしまいます。

このような人たちは会話やコミュニケーションが苦手ですが、ある特別な才能を持っていることが多いのです。

Bさんの技工士としての腕も同様で、A子さんはそれを高く評価しています。

しかし困るのは状況変化に対応できないことです。

患者さんの都合で予約がキャンセルされただけで、Bさんはたちまちパニックになります。そのため忘れ物が多くなりA子さんとの摩擦の原因になるようです。