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働く女性の心の病 (その4) 男性上司と合わない

2013/04/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

男女雇用機会均等法が施行されて28年になりますが、職場内では男性管理職と女子社員との行き違いや、女性管理職と年上男性の部下との問題でメンタル不全に陥る女性たちが相談にみえます。

「働く」意識は男女の考え方に違いがあります。男性は定年まで勤めなければ生活していけないし簡単に退職はできないと考え、管理職になれば仕事に対するミッションが重くのしかかってきます。

また、男性には「女性は結婚してしまえば定年まで働かなくてもいいし気軽だ」という偏見もあるようです。

しかし女性も結婚し家事や子育てをしながら仕事に頑張る女性もいます。

今回はそのような女性の悩みを紹介します。

 

結婚後も仕事にがんばるF子さん

F子さん34歳、事務職、結婚5年目。

F子さんは結婚して子供が生まれても仕事は続けていきたい、専業主婦でいるより働きながら自分の生きがいを見つけたいと考えていました。

夫も家事の協力を約束してくれたので退職はしませんでした。

責任感が強く急な仕事が入ると残業し、職責をこなしています。

男性管理職A課長、F子さん、入社2年目の男性社員Cさん、派遣社員(女性)1名の4人チームです。

A課長は入社以来、F子さんに資格にチャレンジすること、議事録の書き方、会議の段取り、社内メールのチェックポイント等を指導してきました。

A課長の信頼も厚くF子さん無しでは仕事が回らないくらいまで重要なポジションにいました。昇給昇格も同期より早く主任の地位で仕事をしています。

そのような状況でA課長の転勤が決まりました。F子さんは、動揺したものの自分の仕事を確実にこなしていけばいいと考え直しました。

そして後任のB課長は赴任早々、F子さんに「現状のシステムを見直し、より効率的に仕事をしよう。無駄な残業はしないように」と伝えました。

そして数日後、F子さんが残業しているとB課長から「残業する場合は私に許可をとってからするように」といわれました。

残業は上司の許可が必要とのルールはありましたが「慣れあいになっていたな」と反省しました。

数日後、役員会議があることを知り資料の整理をするために残業許可を申し出ると「C君にやってもらうから君は帰宅していいよ」といわれてしまいます。

F子さんは腑に落ちず複雑な心境ながらもC君に作業を引き継ぎ帰宅しました。

F子さんはB課長が何の事情説明もなく突然C君に仕事をふった事実を受け入れることができません。

「私のどこが気に入らないのだろう」嫌な態度は一度もしていないはずだし……。

翌日B課長にそのことをただすと。

「F子さんが今の仕事でなくてはならない人であることは理解している。しかし同じ内容の仕事でプロになってしまうと後輩が育たないんだ。C君に君の仕事を徐々に任せていきたい。F子さんは結婚をしているし、やがて出産も考えなくてはならないでしょう」

「仕事をCさんに引き継ぐ理由はわかりましたが、結婚していることは仕事に何の支障もないはずです」

「現時点では何の支障もないけど、今後のことも考えてという意味だよ」

 

仕事を奪われ課長の補助作業へ

この後、F子さんは今までの仕事をC君に引き継ぎ、B課長の補助作業をすることとなりました。

課長直轄の部下ですから課長の補助は当然ですが、常に細かいことまで課長の指示に従わなければならなくなりました。

残業するほどの仕事量ではないので、確かに帰宅時間は早くなりましたが、どこか空虚感があります。

F子さんは仕事だけの人生よりも子供を産み育てることも大切なことだと考えることにしました。そして妊娠。

出産後も仕事を続けたいと思い、産休と育休についてB課長に相談すると、

「結局、結婚している女性は子育てと称して仕事を休むから大事な仕事を任せられないんだよ」といわれてしまいました。

このひとことでF子さんは性差別をされたように感じ、ひどく傷つきました。

女性は結婚、出産で退職すると同じ仕事に就くことは困難です。退職せずに会社の産休制度を利用して仕事を続ける方は多くいます。

彼女たちは、仕事を中断し周囲に迷惑をかけてしまうと断腸の思いで休暇をとっているのです。また育児休暇明けの職場復帰も大きな不安です。

B課長の言葉は、補充がなく欠員状態でやりくりしなければならない職場では一理あるのかもしれません。自分の職責を担うために発したものだと思われますが、見方を変えれば過剰な自己保身と受け止められかねません。

部下が突然の長期休暇をとるのは出産に限りません。病欠、メンタル不全、不慮の事故などさまざまあります。そうしたリスクを考えてマネジメントするのも上司の役割でしょう。

上司は、子供を産む性を認め、既婚女性も男性も差別せず共に仕事をしていくというゆとりある考えをもってほしいと思います。

現在F子さんは無事、男の子を出産し育休をとり子育てをしています。(続く)