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働く女性の心の病 (その3) 実家依存

2013/03/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

夫から突然の離婚話が……

1・2月号に引き続き働く女性の悩みを紹介します。

大手企業に勤めるA子さん(27)は、結婚2年目にして、めでたく長男を授かりました。夫(30:営業職)は子煩悩ではたから見れば幸せそうな新婚家庭にみえます。

ところが、ある日、夫から離婚しようと言われてしまいました。

理由は、A子さんが頻繁に実家に帰ることへの不満です。

結婚当初は、A子さんの実家で夕食をとり翌日は実家から出社する生活でもうまくいっていました。土日は夫婦水入らずで楽しく過ごせたのです。

しかし、半年たったころ夫がこうつぶやきました。

「実家に行くと気兼ねするし、くつろげないよ」

「共稼ぎなんだから…。私が家事をやらなくてはいけないでしょ。あなたは仕事柄、帰宅は毎日遅いし、ひとりであなたの帰りを待っているのは不安なの。実家にいたほうが安心でしょう」

夫は自分の実家にも帰りたがりません。

「結婚して所帯を持った男が実家に世話をかけるわけにはいかない。独立したら親を頼らずに生活するのが当たり前」と考えているのです。

夫婦でそのことについて何度か話し合ったのですが意見はすれ違いでした。

そうこうするうちに、A子さんは妊娠。つわりがひどく実家から出勤するようになります。夫は土日、一人でさびしく過ごすようになりました。

それでも、出産の準備のため夫と買い物する時は幸せでした。

こうして無事に男の子が生まれましたが、退院後は実家のお世話になりっぱなし。母は夜中のミルク作りやオムツの交換も積極的にやってくれました。

夫は毎日、実家に来て子供の顔を見ながら「仕事にも張りが持てた」と幸せそうに言っていたのですが……。

 

夫が切れた2つの事件

そんな夫婦に大きなトラブルが2つ起きます。

1つは夫が決めていた子供の名前です。これに対してA子さんの両親は「名前が悪いから変えたほうがいい」と言ってきたのです。

それに夫は激怒しました。あんなに激しい感情をむき出しにした夫を初めてみました。両親もそんな夫の姿を見て黙ってしまいました。

2つめは夫の両親に孫を見せに行けずに延び延びになっていたことです。

A子さんは出産後も実家で過ごし、母と一緒に育児をしていて、夫の実家になかなか足が向きません。

頭では早く見せに行かなくてはと思っていたのですが……。

 

そしてついに夫から

「いつまで実家にいるんだ。俺の両親だって孫の顔を見たい、お祝いもあげたいと言っているのに。早く帰ってこい!」

と言われてしまいました。

A子さんはすぐに夫の実家に電話をし、翌月に帰省することになりました。

それでもA子さんは

「一人で子育てする自信もなく、帰りの遅い夫が手伝ってくれるはずもない。やはり実家にいながら子育てしているほうが安心」といいます。

仕事は続けていくつもりなので、どうしても実家の世話になることが多いのですが夫が理解してくれないと愚痴をこぼします。

離婚はしたくないし、実家の両親も離婚には反対です。実家は同居をすすめますが、夫は長男でもあり「同居はありえない」と拒絶。A子さんはどうしたらよいのか途方にくれています。

***  ***  ***

最近、結婚はしたものの実家から離れられず、妻の両親と同居するサザエさん型の夫婦が増えています。

一昔前は嫁にいった以上「実家には戻ってくるな」という風潮がありましたが時代は変わりました。

結婚した娘に対して、

「辛かったらいつでも戻ってこい」と考える親が多いのも一因かもしれません。

働く女性が結婚を機に親から独立して、夫婦共稼ぎをしながら子育てをし、様々な苦労を乗り越えていく夫婦もいますが、

家事、育児の負担が女性に多くなり実家に依存しなければ生活が続けられない夫婦も一方では存在します。

今回の事例では夫は生活の何もかもを実家にまかせてしまう妻に対して不満を持っています。

「家族から離れられないのは自立できず未熟だ」と言い放ち、離婚の意志は固いようです。

働きながら結婚生活を続けていこうと考えている女性は自分の実家との距離を伴呂となる男性とじっくり話し合うことも必要なようです。     (続く)