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働く女性の心の病

2013/01/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

当研究所に来所される女性の2割は抑うつ症状です。そのうち8割は不安からくる症状を訴えます。一方、男性は8割が抑うつ症状ですが、不安障害は2割ほどと逆転しています。

女性の場合は、対人関係や将来に対する不安、過去にとらわれ、不安の中で生きています。そのため仕事、家庭に影響を及ぼし、体に不調が発症します。一般的に自律神経失調症によりホルモンバランスが崩れ、不眠・動悸・頭痛・吐き気、パニック症状、身体の痛み、耳鳴り、メニエール、生理不順などを訴えます。

働く女性の場合、年齢、結婚歴、ライフスタイルなどで不安の中身も違います。今月は、働く20~30代独身女性の不安について具体的事例から考えていきます。

 

<事例1>A子さん(24)、入社2年目、営業職。独身(パーフェクトウーマン)

大学時代は同好会の部長を勤め、部員をまとめる求心力もあり、率先して合宿の手配や他大学との交流の日程調整やあいさつ等をこなすスーパーウーマンぶりを発揮していました。男子部員にとっては憧れのマドンナでした。

就職後は、会社からも期待され、上司・先輩も熱心に彼女を指導。新人ということもあり得意先での評判も上々でした。

2年目になると営業もまかせられ、やがて地道な営業努力が実り、数千万円の受注に成功。会社の表彰を受けました。

そのお祝いで上司、先輩たちと食事会・二次会も設営してもらいました。

おいしい酒にすっかり酔ってしまったA子さんは、いつの間にか上司に寄り添い「自宅までタクシーで送ってほしいんですけど……」と懇願してしまいます。

その様子を見ていた先輩たちは早々と二次会をお開きにします。

上司は、しかたなく酔ったA子さんを自宅までタクシーで送り届けました。

翌日出社したA子さんに1人の先輩女性が苦言を呈します。

「二次会で上司に甘え、タクシーで送ってもらうなんて公私の区別ができてないわね」

「私、何か悪いことしました?上司が送ってくれると言っただけで私は強要していませんけど……。ちゃんとお礼も言いましたよ」

A子さんは自分の気持ちを素直に伝えました。一瞬、言い過ぎたかな、と思いましたが持ち前の性格ですから私のことは理解してくれたはず、と考え直し営業に出かけました。

帰社すると、さきほどの先輩から

「あなたの返答は社会人としての自覚のなさを露呈しています。学生時代と違い組織の一員であることを認識して下さい。仕事は今後も頑張ってほしいと思います」とのメールです。

A子さんには先輩のいわんとすることが理解できません。学生時代から自分の気持ちを率直に伝え、友人から共感もしてもらい自信もありました。社会人になっても高い評価をもらい、それなりの実績も出しているのに自分の性格を否定されたと感じ落ち込んでしまいました。

翌日から先輩と目を合わすことができず、挨拶されても返す言葉も出ません。寝つきも悪くなり早朝に目がさめ睡眠も浅くなりました。

そのような状況が1カ月続いたある日、通勤電車の中で過呼吸になり途中下車してしまいました。

なんとか出勤したものの体調が悪く早退。翌日、心療内科に行くと適応障害とのことで1カ月休職しました。

A子さんは、なかなか他人の意見を聞くことができません。

 

<事例2>B子さん(36)、入社4年目、事務職、同棲中(ウェンディージレンマ)

B子さんは35歳の男性と同棲中。彼は職場での人間関係がうまくいかずたびたび転職を繰り返し今は失業中です。

彼は残業をしません。時間外は趣味のフットサル同好会を優先します。上司から緊急会議のため残業してほしいと言われても、「今日は交流試合です」と断り退社してしまいます。

翌日、上司から「趣味よりも仕事を優先するのが社会人だろう。もっと仕事に集中しろ。評価が低いのは仕事に身が入っていないからだ」と言われてしまいました。

帰宅後、B子さんに「こんな会社辞めてやる!人生は1回限り。後悔のない生き方をしたいんだ」と啖呵を切り、翌日退職してしまいました。

「生活費はどうするの」

「失業保険もあるしなんとかなるよ」とあっけらかんに答えます。

その日以来、彼は朝10時に起床、午後はフットサル。夕方8時に帰宅です。B子さんは仕事帰りに彼の好物を買い、料理をして彼の帰宅を待ちます。

そんな生活が半年も続き、疲れ果てたB子さんは彼に就職してほしいと訴えました。すると、

「俺だって探しているけど面接で落ちてしまうんだよ。どうして俺の気持ち分かってくれないんだ」とのすてぜりふで外出してしまいました。

相談に来たB子さんは「別れたい」と言いますが、

「そうすると彼はますますダメになってしまう」となかなか別れられないのです。

彼には多額の借金もあり、その肩代わりもしています。

私が支えてあげれば良い就職もできるはずだし、もう少し頑張ろうと自分に言い聞かせています。

B子さんは大人になりきれない男性(ピータンパンシンドローム)の母親役(ウェンディ)を演じて、そこから逃げられません。(続く)