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経営の視点からみたメンタルヘルス(上)

2012/10/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

経営に直結するメンタルヘルス問題

職員のメンタルヘルスは企業経営の大きな問題となっています。

ですからこの問題に対して企業ぐるみで目を向けなければいけないのですが、多くの職場では「職員個人の問題」ととらえられがちです。

職場は忙しくて余裕がありません。個々の職員のメンタルヘルスにまで関わっていられないというのが現状なのでしょう。人事・総務・産業医まかせになっていることが多いようです。

しかし、心の問題を放置するリスクははかりしれません。企業への影響は、職員個人の意欲や生産性の低下にとどまりません。

今月号と次号では経営の視点からメンタルヘルスを考えていきます。

 

問題を放置すると、やがて大事故が…

メンタルヘルスの悪化した職場は、やがてすさんでいきます。

ストレス解消としてアルコール、買物、ギャンブル等の依存症となり、歪んだ発散をしてしまう職員もでてきます。

さらにセクハラ、パワハラ、コンプライアンス違反などが発生したりします。最近は職場のモラルが廃れ、個人情報漏洩などの事件も起きています。

また、過重労働で慢性的な睡眠不足も重なると、集中力がなくなり、つまらないミスが発生するようになります。そのようなミスは、やがて大きな事故につながりかねませんので、管理職は注意が必要です。

つまらないミスをおかした部下には、怒るのではなく、「どうしたんだ?」と声をかけることも大切でしょう。

ちなみに、経験則でいうとおよそ300のとるに足らないミスがあると30のヒヤリとする事故が起き、1つの大事故が発生するといわれています。

企業経営からメンタルヘルスをみた場合、労働意欲や生産性に加えて、損失や損害を最小限にする(ミスや事故を減らす)視点が欠かせません。

 

うつ病について知っておこう

メンタルヘルス対策を考える前に、職員の心の問題の概要をおさえておきましょう。最も多いケースはうつ病です。今やうつ病の予備軍は7人に1人と言われています。

まず、症状と発病原因を理解し、職員の症状を見逃さないことです。

うつ病の初期段階の症状

①身体症状:(眠れない・食欲が低下した・疲れやすい)が2週間以上続いている。

②精神症状:仕事に意欲がなくなった。すぐに落ち込む。会社を辞めたい。

以上①②の症状を把握することが先決です。

職員はこのような症状があっても「ストレスのせい。疲れているだけ、寝れば解消する。よくある胃痛」だと考えてしまいがちです。

ですから病院に行かない人がほとんどです。このような症状が長期化しても、内科医に診てもらう人が3割程、精神科を受診されるのは1割たらずです。

職員にそのような症状が見受けられたら迷わずメンタルヘルスの対策をとっていただきたいと思います。

うつ病の原因

長時間労働や過重労働(量と質)のため脳が過労状態になると赤信号です。

それに加えて次の①、②などの出来事が重なると発病するケースが多いのです。

①社内の出来事(異動・昇進・転勤・ミス・パワハラ・セクハラ)

②プライベートの出来事(結婚、失恋・家の購入・借金・大切な人の死・友人とのいさかい・夫婦喧嘩等)

また、長時間労働ではなくても①、②の出来事でもうつ病を発症します。

うつ病になりやすいタイプ

①働き者の優等生タイプ

②完ぺき主義者

③自己開示ができない

④競争心旺盛

うつ病とタイプが異なる新型うつの特徴

最近の若者の傾向

①責任転嫁をする。自分の仕事の不具合を上司が悪い、状況が悪かったから、できない仕事を押し付けられた、と他人のせいにする。

②自己中心的

復職などうまくいかない理由として「自分は能力があるのに上司や会社は評価してくれない。もっと配慮するべきだ」と考える。

③他罰的

「休職になったのは上司同僚のせいだ。訴えてやる」と考える。

④仕事中は元気がないが、アフター5ではイキイキしている。自分の生きがいは仕事よりゲーム、仲間と集ったりフットサルをしたり、趣味のためにお金は稼ぐ。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

管理職はメンタルヘルスを本業の一つと考えることが大切です。

メンタルヘルスの費用対効果については正確な数字は出ていませんが、心の病気で社員が1年間休職したために健康保険組合から1200万円の支出があったというケースもありました。社内のメンタルヘルスの状況を把握しているのは健康保険組合かもしれません。(続く)

 

参考文献:人事担当者のためのメンタルヘルス読本