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社会にとけこめない人たち (その8) ~批判に込められたメッセージは相手からのプレゼントだ~

2012/09/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

批判を受けたとき、人は4つのパターンで反応することを8月号で紹介しました。そのうち①攻撃型、②作為型、③受身型の対処は、批判に込められた相手のメッセージを理解することができません。

一方、④アサーティブな対処法は、自分も相手も尊重した上で、自分の意見や気持ちを相手に伝えます。相手のメッセージを理解し、正当な批判は受け入れ、正当でない批判は否定できます。今月はその対処法を紹介します。

 

アサーティブな対処方法

まず、相手の批判をよく聞いて何をいっているのか理解します。

「そうか、そう思ったんですね/そう見えたんですね」

→相手の言ったことを具体的にオーム返しに確認する。違っていれば訂正し、さらに確認をとる。

①批判が正当だと思ったら、同意し、事実を認める

「その通りです。失敗して仕事を台無しにしました」「そうね、私わがままかもしれない」

②自分でも改善したいと伝える

「そうです、たしかに取り掛かるまでに時間がかかりました。次回はなんとか早く取り掛かれるよう努力したいと思っています」

③自分は間違っていないと伝える

「優柔不断に見えるかもしれないけど、自分なりにじっくり考えた結果なので理解してほしい」

④批判が正当でないと思ったら、事実と「レッテル貼り」を分ける

「あなたはいつも○○だ」という言い方や人格や性格に対する決め付けはレッテル貼りです。一方的なレッテルは否定してかまいません。

「確かに今回は遅れましたが、いつもは時間通りに仕上げています」「今週は疲れていたので部屋が散らかっていましたが、いつもはだらしない人間ではありません」

誤解や偏見、一方的な批判の場合は「その言葉はやめてほしい。とても傷ついてしまいます」と伝えてかまいません。

⑤具体的に何が問題なのかを聞き出して問題解決に持っていく

自分はどうしたいのか、相手にどうしてほしいのか、的を絞って伝える。

「いいえ、私はやる気があります。でも、どんな不都合がありましたか?」「私は無駄使いだとは思いません。どうしてそう感じたのでしょう?」

 

批判に対処するときのガイドライン

①批判は相手からのプレゼントと考える

商売ではお客様からの苦情こそが宝物といわれています。批判は相手からのすばらしい贈り物ともいえます。相手は自分を攻撃しているわけではありません。自分の不適切な言動を指摘しているだけです。嫌われたと考えるより、自分への関心、わかりあいたいという気持ちのあらわれだと考えましょう。

そうすることで自分について、多くのことを学ぶことができます。

②自分の長所、短所を知っておく

あらかじめ自分の長所、短所を知っておくと批判されてもあわてないですみます。また、批判が正当なのか判断できるようになります。

③自己否定せず、事後処理を考える

なにか失敗して批判されたときは「自分自身」が問題なのではありません。自分の行為や言動の何かに問題があり相手の注目を引いているということなのです。自分がベストを尽くしたことはまぎれもない事実です。

今後どうすればよいか、相手と話し合うことが大事なのです。自分を責めたりまわりを責めたりして感情的にならずに事後処理を考えます。

④否定的な言葉を肯定的に置き換える

自分に対する否定的な考えは、なるべく減らします。自分の悪い面ばかり気にしていると批判を受けたとき落ち込んでしまいます。

自己批判は肯定的な言葉に置き換えます。「消極的」は「何ごとにも慎重に取り組む」、「わがまま」は「自分らしく生きようとしている」というふうに、置き換えましょう。

⑤気持ちを伝える

批判を受けてグっと言葉につまり、守勢にまわると、体も緊張してうまく対応できなくなります。簡単でかまいません。気持ちを伝えてガードを取り除くと誠実に相手に向き合うことができます。

「そう言われてドキっとした」「今はつらいけど、それでも言ってくれて良かったと思う」

⑥故意に傷つけられない権利がある

批判があなたの権利や人格を侵害する

ものであるなら、はっきりと否定し、自分を守る行動を起こす権利をあなたは持っています。

例えば「あなたは女だから仕事ができない」という決め付け、「うれしいくせに」というセクハラなどには毅然とした態度で対応しましょう。相手にも自分にも、人間として対等に尊重されることを求めることは私たちの基本的な権利です。

◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

以上述べてきましたが、アサーティブな対処方法で自分の考え方を整理し、感情の言葉(辛い、苦しい、傷ついた等)や相手の言葉をきちんと聞き、丁寧に返すことで人との距離を保つことができます。

今から自分の内なる声に耳を傾け相手との会話を楽しみましょう。