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社会にとけこめない人たち(その7) ~批判されたときの対処法~

2012/08/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

 最近は、社会にうまくとけこめないという相談でカウンセリングにみえる方が目立つように思います。めでたく企業に就職できたのに、なかなか会社にとけこめず、職場から浮いてしまい、休職そしてなかなか復帰できず退職というケースもあるようです。

 自分では仕事を一生懸命やっているのですが、上司や同僚からアドバイスや注意をうけることがあります。なかには言い方がきつかったり、自分のことを否定していると感じることがあるかもしれません。

 そのようなときの対処法を誤り、職場で孤立したり、居づらくなることもあるようです。

 今月号は、批判を受けた時の対処法を考えます。

 

批判されると不愉快だけど……

手放しで批判をうけ入れられる人はあまりいません。批判を受けると私たちは不愉快になったり拒絶されたと思って落ち込んだり相手にひどい言葉を投げ返したりします。

批判を受けるということは、できれば見ないでおきたかったところを突然目の前に突きつけられるようなものです。

ですから批判を避けようとして、言いたいことをがまんし、あきらめてきたという人も少なくありません。

なぜ批判は胸にグサリと突き刺さるのでしょうか。

それは、ほとんど子どもの頃の体験に基づきます。

私たちが子どもだったとき、周りの大人からネガティブな評価を与えられることがありました。自分の行動や態度と、自分の存在自身を区別されずに批判されることで傷ついてきたのです。

 大人は2つのことで子どもを傷つけています。

ひとつは「レッテルはり」です。

「お前はバカだ」「わがままだ」「役立たず!」「お前はいつも悩みの種だよ」

大人たちは、子どもを批判することで子どもがしてしまった行為だけでなく、その子の人格自体をおとしめていることに、無神経です。大人もまたそうして育ってきたからでしょうか。

もうひとつは「拒絶」です。

「そんなことをすると、○○ちゃんのこと嫌いになるよ」「いうこときかないなら置いていくよ」「勉強しないなら出ていきなさい。もう、うちの子じゃないからね」

親は子どもを批判するとともにその子を無視して弟や妹だけをかわいがることもあります。罰や剥奪、冷たい仕打ちが与えられるので、子どもは大人からの愛情を失ってしまったと感じるのです。

 

批判に対する4つの対処パターン

 人は批判されたと感じたとき、次の4つのパターンで反応します。

これは、子どものときの批判への対応の仕方が大人になっても影響しているのです。

 

①攻撃型(ドッカン)

「今に見てろ」

「よくもバカって言ったね。バカなのはそっちでしょ」

自分に向けられた批判は攻撃以外の何物でもない。絶対に負けてはいけないので、批判されたとたんに相手を打ち負かそうとする。

②作為型(ネッチー)

「私のせいじゃない」

「そんなの不公平だ」「いつも私ばかりが損している」

表面上は黙って受け入れているように見えるが、後で巧妙に復讐する。言葉に傷ついたとしても、平気を装う。

③受身型(オロロ)

「私ってやっぱりダメなんだ」

「どうせ私がいけないんだ」

言われるままに同意して、自分を責める。

あるいは最初から批判を受けないよう、ひたすら逃げるか黙っている。

 

①から③までの対処パターンは幼い頃の私たちが考え出した最善の自己防衛の手段でした。

しかし、成人した今に到っても「批判を切り返す」「無視する」「避ける」「あるいは全部取り込んで自分を責める」ことは、結局、批判に含まれているメッセージに耳を貸そうとしていないことになります。

これに対して次号で詳しく紹介する④アサーティブな対処は批判に込められた相手のメッセージを理解することができます。相手の言葉を聞くことができ、正当な批判は受け入れることができます。

正当でない批判に対しては、その批判を否定することができ、批判を受けたときの感情を率直に表現できます。

     (次号に続く)