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人との距離感がとれない

2012/07/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

「気の合う人との1対1の会話はOKですが三人以上の会話になると何を話していいのか分からずその場から逃げ出したくなるんです。

あるとき初対面の人に急速に近づきすぎて親しくなったのですが、食事と映画に誘われてしまいました。でも、当日になると話すことが億劫になってキャンセルしてしまいました。

こんなこと何度も繰り返していますから、友人ができず孤立することが多いんです。なにも嫌われることをしているつもりはないのに、突然、相手に無視されているように感じることがあります」

 

A子さんは人との接し方がわからず悩んでいます。場の空気が読めずにとんちんかんな行動も多いようです。

送別会の時にお礼のつもりで挨拶をしたら「今それを言う?」と先輩たちから言われてしまいました。その時は笑ってごまかしましたが、言われている意味が分かりません。

A子さんが社会人になって、一番困っているのは「暗黙の了解」とか「常識」です。実はこれがよく分からないのです。

「上下関係のルール」「気配り」などを説明され、頭では理解できても、体で身についていないのです。

ですから上司が「昨日の件だけど今どうなっている?」と聞かれても何のことかわかりません。

自分の仕事はいろいろあり、どの仕事のことなのかわからず考えこんでしまいます。即答できずに無言でいると上司は「もういいよ」と呆れ顔です。

こんなことの繰り返しで、毎日が自己嫌悪です。会社も遅刻しがちで休むことが多くなってしまいカウンセリングにみえました。

話をうかがうと、A子さんの思考回路に問題があるようです。

例えばA子さんは片付けができません。クロゼットの中は何年も着ていない服がギュウギュウにつまっています。出勤するために服をとりだしたらシワクチャでした。アイロンをかけなくては、と思いますがアイロンがみつからず、ウロウロしているうちに遅刻してしまいました。

ある日、買物をして帰宅すると、玄関に雑誌が置いてありました。するとその記事が気になって読み始めます。そして玄関に置き忘れたゴミ袋に目がいきます。朝、出勤するときに出し忘れたことを思い出し、雑誌を途中で放り出し、買ったばかりのものは玄関にそのまま放置して、ゴミ袋をもったままどうしていいかわからず家の中をウロウロしてしまいました。

家の人から「あなたはいつも何かモノを持って歩いているよ。そして他のモノが目に入るとそれをその場において忘れてしまうよね」と言われました。

A子さんは注意力が散漫で次々に関心があるものに手を出し収拾がつきません。

「これじゃ仕事ができないの当たり前ですよね……」彼女の苦悩は続きます。

 

パニック状態から自分を守るために

A子さんのように、しばしば誤解をされてしまう人は社会的な訓練が未熟と考えられます。

子どもは親から離れて集団生活を経験していくと、おもちゃの取り合いをしたり先生から注意されたりしながら社会性をみにつけ、相手の言葉以外の表情や言葉の裏に添えられた想いや今何を求められているかを察知するようになります。即ち、場が読めるようになります。

そのような経験が乏しいまま社会人になると、場が読めず、人と真逆に考えたり、とんちんかんな対応をして、周囲からは「変な人」と思われがちです。

このようなタイプの人には、特徴的な傾向があります。本来頑張り屋なのですが、思い込みが強く、完璧を求め、他人の力を借りず自分ですべて行わないと気がすまないところがあります。そしてどうでもいいことにこだわりすぎ、同時多発的に処理すべき仕事が発生すると、どうしたらよいかわからなくなりパニックを起こします。頭の中は混乱し、ただただ無駄に動き回ります。

 

「変な人」を「面白い人・素直な人」に変える「冷静さ」と「優先順位」

 ではどうしたらよいかですが、まず、周囲の理解が必要です。そのためには「冷静で客観的になること」と「優先順位」がキーワードです。

パニックになる前に、自分の気持ちをコントロールします。冷静に客観的に今の状況を観察してみます。ドキドキしてきた、冷や汗が出てきたということは冷静になるサインだと思ってください。

心が落ち着いてきたら、今、この場で一番先にすべきことは何かを考えます。考えたことをメモして本当に必要か考えます。判断に迷うようであれば信頼できる相手に相談するのもよいでしょう。

また、他人から批判や無視されても自分はダメだと決め付けてはいけません。自己評価を下げてしまうと他人に対して消極的になってしまいます。自分らしさを分かってもらえる仲間を作ることは大切で家族にもプラスの面を見つけてもらい自分の個性として考えましょう。

 

自分の得意・不得意を認める

得意なことを率先して行動にうつすと他人から評価されます。それが積み重なれば自信にもつながります。また苦手なことは訓練するか、苦手であることを前もって伝えておくことで他人の手を借りることもできます。助けてもらうことはコミュニケーションのチャンスなのです。