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社会にとけこめない人たち(その1)

2012/02/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

最近、対人関係の苦手で社会に溶け込めない方々に関する相談が目立ちますので事例を紹介します。

Aさんは昇格して新しい職場に異動しましたが、古くからそこに配属されているB子さんとうまくいきません。例えば会話はこんな具合です。

 

会話にならない部下

:今日は新しいプロジェクトの事で話したいんだけど今いいかな?

(メールを送っても話しかけても反応なし。嫌われてるのかな?苦手だけど話をしないとまずい)

B子:何をしたいんですか?

:私はこのプロジェクトでは新米だど、あなたは精通しているでしょう。力を貸してほしいんだよ。段取りを打ち合わせしたいんだが。(何だか俺下手に出ている感じだな)

B子:……(無言)。

:(嫌われているな。俺の何が気に入らないんだ。偉そうだからか?)

一緒に仕事をするんだから役割分担を決めておきたい。やりたいことの希望はある?

B子:特にありません。私、やることいっぱいあるんで……。早くしないと今の仕事、間に合いませんから。

:(何?間に合いません?何週間も前から打ち合わせしようと言っているのに。やっぱりこのプロジェクト引き受けなければよかった。俺一人でやるしかないか)

あなたは経験があるから是非、参加させてほしいと課長も要望しているんだけど。

B子:……。

:(また無言か。なんだか自尊心ズタズタだ。もうイチイチ指示するのが面倒になった。それにしても何だ、あの態度。顔色一つ変えずに淡々として)

私が主体的に動くから、せめて情報だけでも共有してほしい。問題があるようだったらサポートしてよ。

B子:忙しいので手があいたときに……。

:(もうダメだ。なんで俺が遠慮しなきゃならないんだ!)

 

Aさんは結局プロジェクトをすべて一人で立ち上げ、遂行しました。

B子さんは高学歴で知的レベルも高いのですがコミュニケーションに関しては相手の気持ちを読んで会話するのが苦手です。仕事は自分の都合を最優先してしまいます。チームを組むプロジェクトになると仕事の流れや周囲の状況が読めず、他人から指示されると反応がなく無言になることが多いようです。相手が何を伝えたいのか理解できません。

昼食はいつも一人です。後輩社員が気を利かせて「先輩一緒にこちらで食べませんか」と言うと声をかけると

「今日お天気が悪いから」。

好きなゲームの話のときは会話もスムーズなのですが……。

 

年賀状がくると落ち込む

C子さん(結婚歴10年、40歳)は正月早々から面白くありません。

「私たちは子どもがいないことを知っているのに年賀状に子どもの写真を貼り付けて送ってくる人たちがたくさんいるんです。私だったら子どものいない人にそんな年賀状は送りませんよ。本当に私の周囲は人の気持ちの分からない人ばかりです。年賀状の風習なんかやめちゃえばいいと思います。

心療内科の医者は「今は子どもを産む時期ではない」と言うんですよ。そんなことを言われる筋合いはないでしょう。

私のことをみんな分かってくれない。結婚した以上子どもがほしい。かわいい子どもがいれば幸せになれるはずだし。しかし、周りがこんなに無理解な人たちばかりだと子どもを産むことも考えてしまいます」

C子さんの愚痴は続きます。

 

課長になるのがこわい

「部長から人事評価も良いし、4月には課長だ。期待している、と言われたんです。しかし、その日から眠れません。いろいろ悩んで、部長には課長の仕事はできそうもありません」と言いました。

「普通は課長になりたくてもなれない人がたくさんいるのになぜなんだ」と言われましたが、自分でもよく分からないんです。昇進を望んでいないわけじゃないんです。サラリーマンでいる以上管理職をめざしていたはずなのに、いざ、その日が来たと思ったら、急に恐ろしくなり、会社を辞めたいと思いました。昇進しない方が気楽だし居心地がいいと思ってしまうんです。情けないですね。自分の実力で課長になれたことを周りの人に自慢したい気持ちだってあったはずです。

楽な仕事をしたいということではないんです。残業が続いたからと、すぐ休む同僚がいると、甘いなと思うし、自分だったらこの程度で音は上げません。弱音をはくことが自分にとって一番してはいけないことだと思っていますしサラリーマンになってグチや弱音を言ったことはありません。

自分でも仕事にむいていると思うし仕事が生きがいでした。

なのに絶好の昇進チャンスを自分でつぶすなんてオレって変ですよね」

(次号に続く)