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(続)新入社員の悩み

2011/07/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井 たみえ

 

前号(5月号)では様々な新入社員の悩みを紹介しました。

そのような悩みの事例を検証していくと①社会人としての合理的思考が確立していない事と②失敗を恐れている傾向が浮かび上がってきます。

 

合理的思考のすすめ

合理的思考とは、何か問題が起きた時何が問題の中心なのかを考え分析してことにあたることです。事実に即して客観的に考えること(情緒ではなく論理的に考える)、結果を予測して準備をすること、他の人の意見を参考にして決めること等です。

新社会人は状況に応じて考えを変えることが苦手です。

例えばAさんは「困っている人は助けなければならない」と考えています。

ある日、出勤途中で困っている人がいました。今日は大事な会議があり遅刻はできないはずですが、助けることを優先して遅刻してしまいました。

上司から厳重注意を受けても、Aさんはその意味が理解できません。「困っている人を助けたのにどこが悪いのか」と考え上司に不信感をつのらせます。

社会人としての役割を担った以上、大事な会議は最優先です(生死にかかわる場合は別ですが)。困っている人を助けたい気持ちは人間として当然ですが、あいにく助けられない状況(大事な会議)の時は自分以外の人にお願いをすることも考えなくてはなりません。

まずは自分が取るべき行動の優先順位を考えることです。

 

「取引先でのイヤミ」への対処法

前号の事例5は、応援要員として取引先で仕事をすることになった新入社員の悩みでした

取引先の課長から「おたくの会社は仕事の手順が悪い。見積りも他社より高い。納期も遅い。どう考えているんだ」などと毎日イヤミを言われ続けました。取引先なので反論もできず、そうかといって自分でなんとかできるわけでもなく、モチベーションが下がり出勤できなくなったケースです。

このようなときは「なんてイヤな課長なんだ」と個人的感情を内にかかえて仕事をするのではなく、会社の一員として組織的に対応する意識を持つことです。

この場合はすぐに自分の会社の上司に報告・相談して取引先のクレームに組織的に対応することです。

 

失敗や叱られることを恐れるな

失敗を回避しようとするのは、子どもの頃のトラウマが原因である場合が多いようです。

あることに失敗して、親から「駄目な子!愚図!お兄ちゃんに比べてなんてノロマなの」「そんなことすると○○ちゃんのこと嫌いになるよ」「文句を言うなら連れていかないよ。一人で留守番していなさい」「言うことをきけないなら出ていけ」などといつも言われていると、自信を失い、親から愛されていないと感じてしまいます。

それが積み重なると、やがて失敗を避けることだけを考える指示待ち人間になります。

 

失敗の回避はクセになる

子どもの頃にうまく失敗を回避したとしましょう。この成功体験は大人になっても習慣化していきます。

Bさんは小学2年のとき、兄のケーキを食べて叱られそうになったことがあります。

そのとき、とっさにこう言いました。「だってお兄ちゃんが僕のお小遣いを勝手に使ったんだ。だからお兄ちゃんのケーキを食べたんだ」

母はBさんをしかろうとしたのに、この一言で兄に怒りをぶつけました。

まんまと怒りの矛先を変えることに成功したBさんは、その方法を身につけてしまったのです。

管理職になったBさんは最近、部下から遠ざけられているように感じ、孤独感が強くなり抑うつ状態になりました。

カウンセリングで上記のエピソードを語りはじめてから、自分のミスを部下に押し付けていたことに気付いたのでした。 

失敗で怒られないためには、人のせいにすればいい……。こう学習したBさんは、社会人になった今も無意識にこの行動をとっていたのです。

 

うっかり忘れのC子さん

前号事例4のC子さんは反省ができないタイプです。上司から明日受付をするようにいわれたことを忘れてしまいましたが、「かわりに受付をしてくれた人に謝れ」といわれても納得できません。

C子さんはひとりよがりの倫理観が強く「人は~しなければならない」と考え、他人には厳しいのですが、自分のことは「私はきちっとルールを守る人間だから間違っていない」と考え、自分の失敗は他人のせいにしてしまいます。

彼女も幼い頃、母に怒られそうになった時、「だって○○ちゃんもやっていた」と言い訳して怒られずにすんだ経験を持っていました。

 

働くということから学ぶ失敗

学生と社会人の違いは働くことです。仕事をするには年代や経験、考え方の異なる人たちとの対人関係やスキルを身につけなければなりません。

その過程で新人社員は失敗を繰り返しながら成長していきます。

失敗を恐れず果敢にチャレンジしていく人間に育ってほしいと新人研修終了後に強く思いました。