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問題行動を起す人たち

2009/07/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井たみえ

 

●A子さん

「あのカウンセラーは失格です!」

クライエントの第一声です。怒りの表情で口をヘの字に曲げながら私に訴えてきます。

その言葉の裏側にある状況を聞いてみました。

会社の忘年会があり、顧問でもあるカウンセラーを招待しようと彼女の発案で30数名の出席者で宴会をしました。

時間の経過と共にお酒も入り、カウンセラーの周りには新鮮さも加わってか、多くの社員が集まり彼の話に耳を傾けていました。

 

彼女が失格だと断言した理由は「当社の社員を呼び捨てにした」ということでした。「山田、お前の言っていることは……という意味?」という言葉尻ですが、私が推測するに、カウンセラーが話しを確認するために繰り返した言葉だったようです。言葉のなかで呼び捨てにしたことだけがクローズアップされ、「うちの社員を呼び捨てにするなんて失格だ」ということになったようです。

そしてカウンセラーとは「~すべきである」「~ねばならない」という彼女特有の考えを延々と聞くことになりました。

 

●B子さん

給与計算を担当をしているB子さんは部長に次のようなメールを出しました。「Yさんが課長になると聞きました。給与もアップするとのことですが、私はYさん以上の働きをしているのですから、私の給与を上げるべきです」

 

●C子さん

派遣会社の営業サポートをしているC子さんは、最近とくに不況の影響を肌で感じています。

SEの派遣を業としている会社ですから派遣先から契約が切れたことを理由に会社待機をしているSEが毎日少しずつ増えているのです。

当然事務所は手狭になり、C子さんにとって仕事がスムーズにいきません。

「あの人たちが受注してこないから仕事の邪魔をするSEが増える。彼らはただ外に出るだけで、何の成果もない」

C子さんの怒りの矛先は営業課長・営業担当者に向かいます。

そのような状況が続くある日、ついにC子さんは「死ね。役立たず。ばか!」と業務中に怒鳴ってしまいました。

 

●Dさん

次々と転職を繰り返しているDさん。

中学時代の友人から誘われてコンビニに勤めることになりました。

朝は起きられないので夕方からの勤務です。3カ月が経過したころ、紹介してくれた友人の彼女が同じ店に勤務することになりました。

彼女とは1時間くらいしか仕事が重なりませんが、友人を通した仲間という意識が強く、よく3人で飲みにいきました。

ある日、Dさんは、その友人に5万円貸してほしいと頼みましたが断られてしまいます。

Dさんは、親友のくせにどうして貸さないんだ。お前は冷たい、と脅迫行動を繰り返すようになります。

メールを1日に何度も打ち、友人の彼女に彼の悪口をあることないこと言い続けました。また、店長に「彼女はふしだらな女で自分に言い寄ってくるから気をつけたほうがいい」とまで言いつけました。

 

●Eさん

女性管理職の元で働く新入のEさんは、従順で気がきき、上司の右腕に成長しました。残業も苦にせず、急な資料作成を頼まれると遅くまで残業してやり遂げます。上司の評価は高く、査定も人並み以上でした。

2年たち、彼の元に新入のGさんが配属されました。上司は、部下の指導も業務であることをEさんに伝えました。

GさんはEさんの指導のもとで、成長し、仕事の成果はEさんの認めるところとなっていました。

当然上司からも認められ、Gさんも仕事を任せられるようになります。

上司はEさんに対してもねぎらい、能力発揮できる仕事を与え、二人を平等に扱うよう気を配ってきたつもりでした。

しかし、ある日、Eさんは上司に次のメールを発信しました。

「あなたはG君に対して仕事を与えるときの姿勢がまるで女の色気を出して攻めている感じです。夫もいる身でありながら部下と不倫をしようとしている上司は無能で不潔です。私はあなたを上司として認められません。このメールは課の全員にCCで流しました。反省してください」

 

<解説>

このような問題行動をおこす人が増えています。

前号・前々号(5・6月号)のS子さんをはじめ今月号の主役たちに共通しているキーワードは「人間関係」です。

1対1の人間関係は、あまりにも生身であります。

そして彼らの人間関係は社会的身分や役割から乖離しすぎているのです。社会的な人間関係が成立しないということです。

次号ではこれらの登場人物に対して私たちはどのように関わっていけばよいのかを考えたいと思います。(続く)