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山田人事部長の憂鬱(その3)管理職研修

2007/09/01
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みらい総合心理研究所 所長 岸井たみえ

 

部下をうつにさせないための管理職研修

「仕事は減らせない。しかし社員を増やすことはできない」という状況のなかで山田さんの職場では、うつ病や長期休職の社員が目立ってきました。

「24時間働けますか♪」というコマーシャルがありますが、栄養ドリンクを飲んでまで働かなければならない社会現象は昔も今も変わらないようです。

 

しかし24時間働いていたら体も心も

ぼろぼろになってしまいます。このままでは自殺者が出てしまうかも知れない、と危機感をもった山田さんはメンタルヘルス対策を導入することを決断しました(詳細は本誌7月号に掲載)。

そして8月号ではメンタルヘルス対策を導入するときの考え方を紹介しました。 

今月は、対策の第一段階「管理職にうつ病についての知識を知ってもらい部下の変化に気づき、早期に対処する」方法を紹介します。

山田さんは「部下をうつにさせないための管理職研修」を全管理職に実施しました。その概要は次のとおりです。

ストレスとは何か

ストレスの原因

ストレス反応(身体、精神、行動)

ストレスを受けやすい人

うつ病とは(症状)

うつ病になりやすい性格

関わり方のポイント

気づくポイント

予防のポイント

休職者への対応

職場復帰

信頼関係を築くためのコミュニケーション

 

部下の行動パターンを知る

研修では、まず「うつ」になりやすいといわれているA型行動パターンの人たちの特徴をみていきました。

このタイプは攻撃的な行動にでることが多く、ストレスを強く受け、虚血性疾患のリスクが高くなります。

※A型、B型は血液型ではありません。皆さんもチェックしてみて下さい。なお、

A型が誤りでB型が正しいというものではありません。

<A型のチェックリスト>

①いつも時間に追いたてられている。

②競争心が強い

③用心深い

④常に何かをしていないと気がすまない

⑤仕事は人より速い

⑥昇進すること、人に認められることを執拗に望む

⑦攻撃的で敵意をもちやすい

⑧心にゆとりがない

<チェック方法>

その傾向が強い:2点、少しある:1点、まったくない:0点、で①から⑧までの合計点数が10点以上はA型行動パターンに該当します。

10点以下はA型とは正反対のB型行動パターンです。

 

<A型の具体的行動>

A型に該当する人の具体的な行動は次のとおりです。

口答えや批判が多くなる

歩くのも食べるのも早くなる

結論を急ぐ

ミス、失敗を人のせいにする

些細なことに腹を立てる

落ち着きがない

人の話を聞かない

相手の都合を考えずに話しをする

 

A型は責任感が強く他人に対して心を開くことが苦手です。スケジュールに空白があると不安で常に何らかの用事を作り、動き回っています。集中力が高く、休むことに罪悪感を持つこともあります。

 

<B型の行動パターン>

逆にB型は責任感をあまり感じるタイプではありません。「適当に」が口癖でとりあえず仕事をこなします。上司からみるとつかみどころがなく上司を困らせているのかもしれません。「調子がいいヤツ」などと思われるタイプです。

 

管理職研修でこのチェックリストを実施すると、参加者の20%がA型に該当しました。

部下がA型であれば、エネルギーを放出させることが一番の対処療法です。部下を気分転換させるために、会議室の机を整理させるとか会議時の昼食の買い出しを頼むなど行動させることで対処できます。

 

部下を追いつめるA型上司

管理職研修では部下の「うつ」を早期発見するのが目的ですが、表に出ないもう一つの目的は管理職の性格行動パターンを自覚してもらうことです。

部下の「うつ」の原因が管理職自身の問題行動になっているケースがあります。管理職がA型行動パターンだと部下は高いストレスを受けています。部下は常に監視されている状態が続き、緊張状態が長く続くと体調が悪くなり、頭痛、吐き気などの症状が出現します。

このような状況で部下は上司に相談したいと思っていても、上司は相談にのるようなゆとりはありません。当然、部下の様子など気づかないことが多いのです。これでは上司も部下も共倒れになります。

 

上司のタイプは、自分への自信と仕事へのスタンスで4通りになります

自分に自信を持っていて(人の評価は気にしない)、仕事は一生懸命やればできると考え実際に仕事ができる。

②自分の生活スタイルに満足し、生き方に自信を持っているので人に評価されなくても平気。仕事は時の運という楽天的考え方。

③自分に自信がなく上司の評価を気にする。仕事は時の運と考え、失敗すると人のせいにする。

④自分に自信がなく上司の評価を気にする。仕事は何がなんでも成し遂げようとする

 

管理職で一番多いタイプは①です。では理想の上司はどのようなタイプでしょうか。

自分に自信を持っていて質問をすればきちんとした答えが返ってくるし、失敗した場合には「時の運だから、また頑張れよ」と部下を励ましてくれる人、すなわち②のタイプです。ちなみに④の管理職はA型です。

 

日常のストレス量を意識しよう

部下のストレスは上司だけが原因ではありません。日常生活で様々な出来事が起きストレスを感じています。ストレス量を意識することはメンタルヘルス管理上とても大切です。部下の一人ひとりの状態を把握することが難しい場合は部下にストレスを自覚させセルフマネジメントしていくように指導することです。

図表で過去6カ月以内に起きた出来事すべての合計が100点をこえると、その後6カ月以内に心身の不調が出てくる確率は60%、200点を越えると80%です。

例えば離婚73、配置転換36、上司とのトラブル23を合計すると132点になり心身の不調の確率は60%になります。

ちなみに夫婦の口論は35点ですが、夫婦の和解は45点です。夫婦ゲンカをしているより仲直りする方がストレス度が高いということですね。なんとも不思議です。

この研修に出席された方々は、積極的に部下のストレスマネジメントに関わり、自分自身も自律性を持った頼れる上司という印象でした。ガンバレ管理職!

 (続く)

 

 

図表